中小企業のための、WEB制作・システム開発の総合窓口。

はじめに

デジタル化が加速する現代において、Webサイトやオンラインサービスはビジネスの成功に不可欠な要素となっています。しかし、Web制作開発には多大な費用がかかり、中小企業やスタートアップにとっては大きな負担となることも少なくありません。

Web制作開発の費用を抑え、ビジネスを成長させるために、ぜひ活用したいのが補助金制度です。

本記事では、2025年度にWeb制作開発に活用できる補助金について、国、地方自治体、その他機関ごとに詳しく解説していきます。それぞれの補助金の概要から対象要件、申請方法、申請期間、補助金額、補助率まで網羅的にまとめ、Web制作開発のどの分野に活用できるのかを明確化します。さらに、過去の採択事例を分析し、申請のポイントや注意点も紹介します。

本記事が、Web制作開発を検討している事業者の皆様にとって、補助金を活用し、ビジネスを成功させるための道標となることを願っています。

2025年度 WEB制作開発に活用できる補助金一覧

2025年度にWeb制作開発に活用できる補助金は、主に以下の3つの種類に分けられます。

• 国の補助金
• 地方自治体の補助金
• その他機関の補助金

国の補助金

国の補助金は、全国の中小企業・小規模事業者を対象とした、幅広い分野を網羅する補助金制度です。Web制作開発に活用できる主な国の補助金としては、以下のものがあります。

• IT導入補助金
• 小規模事業者持続化補助金
• 事業再構築補助金
• ものづくり補助金

補助金名	概要	対象要件	申請方法	申請期間	補助金額	補助率
IT導入補助金	中小企業・小規模事業者等の生産性向上を支援するために、ITツール導入にかかる費用の一部を補助する制度。1	中小企業・小規模事業者等1	詳細は未公開だが、2024年度と同様にオンライン申請になる可能性が高い。2	複数回、類型により異なる1	最大450万円1	4/51
小規模事業者持続化補助金	小規模事業者が販路拡大等を目的とした取り組みに対し、費用の一部を補助する制度。3	商工会議所の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者3	電子申請または郵送3	2024年1月16日～3月14日3	最大50万円、インボイス特例で100万円3	2/33
事業再構築補助金	中小企業・中堅企業等の事業再構築を支援する制度。4 2025年度は「新事業進出補助金」に名称変更される可能性があります。5	新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者等6	オンライン申請6	未公開6	最大8,000万円6	中小企業は2/3または1/2、中堅企業は1/3または1/27
ものづくり補助金	中小企業の革新的な製品・サービス開発、省力化設備投資を支援する補助金制度。8 2023年度は「低感染リスク型ビジネス」枠限定でホームページ制作も対象でした。9	詳細は未公開	詳細は未公開	詳細は未公開	最大8,000万円10	1/2～2/310

地方自治体の補助金

地方自治体の補助金は、各地域の中小企業・小規模事業者を対象とした、地域経済の活性化を目的とした補助金制度です。Web制作開発に活用できる補助金も多数存在します。³ 申請の際は、各地方自治体のWebサイトや窓口で情報を確認しましょう。

その他機関の補助金

その他機関の補助金は、商工会議所や民間団体などが独自に設けている補助金制度です。Web制作開発に特化した補助金や、特定の条件を満たす事業者を対象とした補助金など、多様な制度があります。¹¹

各補助金の詳細

IT導入補助金

概要

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を目的として、ITツール導入にかかる費用の一部を補助する制度です。¹ 2025年度も継続が決定しており ¹²、業務効率化やDX推進、セキュリティ対策、インボイス制度への対応など、幅広い分野で活用できます。¹²

この補助金制度の背景には、「2025年の崖」と呼ばれる問題があります。¹³ これは、老朽化した既存システムやIT人材不足により、企業の競争力や生産性が低下する可能性を指摘したものです。IT導入補助金は、このような問題を解決し、企業のデジタル化を促進するための重要な役割を担っています。

補助対象となるITツールは、ソフトウェア、クラウドサービス、ハードウェアなど多岐に渡ります。¹⁴ 例えば、業務効率化のためのソフトウェア、顧客管理のためのクラウドサービス、セキュリティ対策のためのハードウェアなどが挙げられます。

2025年度の変更点としては、ITツールの保守サポートやマニュアル作成などの導入関連費用、そしてIT活用の定着を促す導入後の「活用支援」も対象経費に加わりました。¹⁵ また、セキュリティ対策推進枠の補助額が、5万円～100万円から5万円～150万円に拡充されました。¹⁵

対象要件

主に中小企業・小規模事業者等が対象となります。¹ 資本金や従業員数などの要件は業種によって異なります。⁶ また、補助金の対象経費を全額自己負担できる事業者であること、生産性向上計画に基づき、経営改善を目指している事業者であることも条件となります。¹⁶

申請方法

2025年度の申請方法は、まだ公開されていませんが ¹、2024年度の申請方法を参考にすると、以下のようになります。³

• 電子申請の場合: 電子申請システムに必要事項を入力し、申請書類をアップロードします。
• 郵送申請の場合: 申請書類を印刷し、必要事項を記入の上、郵送で提出します。

申請期間

2025年度の申請期間は、まだ公表されていません。¹⁵ 例年、複数回の申請期間が設けられています。¹⁵ 2024年度の申請期間は、以下の表の通りでした。

Subsidy Type	First Deadline	Last Deadline
通常枠	2024年3月15日	2024年8月23日
インボイス枠（インボイス対応類型）	2024年3月15日	2024年10月3日
インボイス枠（電子取引類型）	2024年3月15日	2024年10月3日
複数社連携IT導入枠	2024年4月15日	2024年10月3日
セキュリティ対策推進枠	2024年3月15日	2024年10月3日

補助金額・補助率

補助金額は最大450万円で、補助率は1/2～4/5です。¹⁷ 補助率は、事業者の規模やITツールの種類によって異なります。¹⁷

小規模事業者持続化補助金

概要

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路拡大等を目的とした取り組みに対し、費用の一部を補助する制度です。¹⁸ 2025年度も継続が決定しており ¹⁹、Webサイト制作、広告宣伝、展示会出展など、様々な用途に活用できます。

2025年度の変更点としては、補助額が50万円から最大250万円に拡充され ¹⁹、店舗改装や広告掲載、展示会出展費用なども対象経費に加わりました。¹⁹ また、申請枠が整理・簡素化され、以下の類型に分けられました。²⁰

• 一般型（通常枠・災害支援枠）
• 創業型
• 共同・協業型
• ビジネスコミュニティ型

対象要件

商工会議所の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者であることが条件です。¹⁸ 従業員数は、商業・サービス業（宿泊業・娯楽業を除く）は5人以下、宿泊業・娯楽業・製造業その他は20人以下となっています。¹⁹

申請方法

申請は、商工会議所または商工会を通じて行います。²⁰ 申請書類は、経営計画書、補助事業計画書などです。²¹

申請期間

2025年度の申請期間は、まだ公表されていません。¹⁹

補助金額・補助率

補助金額は、通常枠は50万円、創業型は200万円、共同・協業型は5,000万円、ビジネスコミュニティ型は50万円（2以上の補助対象者が共同で実施する場合は100万円）が上限です。²⁰ インボイス特例を適用する場合、補助上限額に50万円が上乗せされます。²⁰ 補助率は、基本は2/3ですが、賃金引上げ特例や赤字事業者など、条件によって異なります。²⁰

災害支援枠

2025年度の小規模事業者持続化補助金には、「災害支援枠」が新設されました。¹⁹ これは、令和6年に発生した能登半島地震や奥能登豪雨により被災した小規模事業者の事業再建を支援するための枠組みです。

事業再構築補助金

概要

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者が、新しい事業への挑戦や事業転換を行うことを支援する制度です。²² 2025年度は「新事業進出補助金」として、内容や要件が一部変更される可能性があります。⁵ Webサイト制作、システム開発、設備投資など、幅広い事業再構築に活用できます。

2025年度の変更点としては、補助金額や要件が見直され、補助率が一律1/2になる可能性があります。⁵ また、建物費（新築・改装）も補助対象経費に加わる可能性があります。⁵

対象要件

日本国内に本社を有する中小企業者等及び中堅企業等が対象となります。²² 新事業進出や既存事業と異なる事業への取り組みなどが要件となります。⁵

申請方法

申請は、電子申請システムを通じて行います。²³ 申請書類は、事業計画書、収支計画書などです。²⁴

申請期間

2025年度の申請期間は、まだ公表されていません。²⁵

補助金額・補助率

補助金額は、申請枠や従業員数によって異なります。²² 補助率は、中小企業は1/2または2/3、中堅企業は1/3または1/2です。⁷

Web制作開発分野における補助金活用のポイントと事例

Web制作開発分野における活用

IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業再構築補助金のいずれも、Web制作開発に活用することができます。それぞれの補助金制度の特徴を踏まえ、自社の事業計画に合った活用方法を検討しましょう。

• IT導入補助金: コーディングツール ²⁶ を含む、幅広いITツール導入に活用できます。
• 業務効率化、DX推進、セキュリティ対策、インボイス制度対応など。
• 小規模事業者持続化補助金: Webサイト制作費用は「ウェブサイト関連費」に該当します。²⁷

• 新規顧客獲得、認知度向上、販売促進など。
• Webサイト関連費用として申請する場合、Webサイトは新規作成である必要があります。³ また、100万円を超える支払いは、2社以上の見積もりが必要です。³
• 事業再構築補助金: 新規事業の立ち上げ、既存事業の転換、事業の多角化など、幅広い事業再構築に活用できます。

• 新分野展開 ⁶、業態転換 ²⁸、事業転換 ²⁸、業種転換 ²⁸、事業再編 ²⁸ など。
• システム構築費 ⁶、クラウドサービス利用費 ⁶、外注費 ⁶ などが対象経費に含まれます。

採択事例

IT導入補助金

• 事例: ある中小企業は、IT導入補助金を活用し、顧客管理システムを導入しました。その結果、顧客情報の一元管理が可能となり、営業活動の効率化、顧客満足度向上を実現しました。²⁹
• 成功のポイント: 自社の課題を明確化し、その解決に適したITツールを選定すること。³⁰ IT導入支援事業者と連携し、申請書類の作成や導入支援を受けること。³⁰

小規模事業者持続化補助金

• 事例: ある小規模事業者は、小規模事業者持続化補助金を活用し、自社Webサイトを制作しました。その結果、新規顧客獲得に繋がり、売上増加を実現しました。³¹
• 成功のポイント: 経営計画をしっかりと策定し、Web制作開発との関連性を明確にすること。³² WebサイトやECサイトの制作だけでなく、SEO対策や広告運用など、効果的な集客方法を検討すること。³¹

事業再構築補助金

• 事例: ある事業者は、事業再構築補助金を活用し、オンラインでの販売に特化したECサイトを構築しました。その結果、新たな販路を拡大し、コロナ禍でも事業を継続することができました。³³
• 成功のポイント: 事業計画の内容を具体的に記載し、実現可能性を示すこと。³⁴ 補助事業終了後も持続的に事業を展開できる計画であることを示すこと。³⁵

申請のポイント

Web制作開発に係る補助金を申請する際のポイントは以下の点が挙げられます。

• Webサイト・システムの目的を明確にする: どのような目的でWebサイトやシステムを制作するのか、明確にしましょう。
• ターゲットユーザーを明確にする: 誰に向けてWebサイトやシステムを制作するのか、ターゲットユーザーを明確にしましょう。
• 具体的な内容を記載する: Webサイトやシステムの内容、機能、デザインなどを具体的に記載しましょう。
• 効果を測定できる指標を設定する: Webサイトやシステム導入による効果を測定できる指標を設定しましょう。
• スケジュールと費用を明確にする: Web制作開発のスケジュールと費用を明確にしましょう。
• 専門家の意見を聞く: Web制作会社やシステム開発会社など、専門家の意見を参考にしましょう。

申請に関する相談窓口・サポート体制

補助金申請に関する相談窓口やサポート体制は、以下の通りです。

• IT導入補助金

• 相談窓口：IT導入補助金事務局、商工会議所、IT導入支援事業者など ³⁶
• サポート体制：IT導入支援事業者による申請サポート、導入後の活用支援など ³⁷
• 小規模事業者持続化補助金

• 相談窓口：商工会議所、商工会、中小企業庁など ³⁸
• サポート体制：商工会議所・商工会による事業計画作成支援など ³⁹
• 事業再構築補助金

• 相談窓口：事業再構築補助金事務局、中小企業庁、認定支援機関など ⁴⁰
• サポート体制：認定支援機関による事業計画作成支援、申請サポートなど ⁴¹ 事業再構築補助金では、認定支援機関のサポートが必須です。⁴²

これらの窓口やサポート体制を活用し、補助金申請をスムーズに進めましょう。

まとめ

2025年度も、Web制作開発に活用できる補助金制度は継続して実施される見込みです。

IT導入補助金は、業務効率化やDX推進、セキュリティ対策など、企業のデジタル化を支援する補助金です。小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路拡大を支援する補助金です。事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者の事業再構築を支援する補助金です。

これらの補助金制度の特徴を理解し、自社の事業計画に合った制度を活用することで、Web制作開発にかかる費用を抑え、ビジネスの成長を加速させることができます。

補助金申請は、事前の準備が重要です。最新の情報や変更点などを随時確認し、申請要件や手続きの流れを把握しておきましょう。

特に2025年度は、

• IT導入補助金では、サイバーセキュリティ対策への支援が強化されています。^{15 16}
• 小規模事業者持続化補助金では、経営計画の策定がより重視され、申請枠も整理・簡素化されました。^{20 43}
• 事業再構築補助金は、「新事業進出補助金」に名称変更され、新規事業の立ち上げや市場拡大への支援が強化される可能性があります。^{5 44}

補助金制度の最新情報や変更点、申請のポイントなどをしっかりと把握し、Web制作開発を成功させましょう。